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ボッシュ レックスロスのctrlX AUTOMATION
ボッシュ レックスロスのctrlX AUTOMATION
エレクトリック ドライブ&コントロール

二歩先を進む

今や、機械エンジニアリングの付加価値の半分以上はソフトウェア開発が占めています。この問題に対処し、オートメーションの世界を大きく前進させる革命的に新しいオートメーションプラットフォームについて、Steffen Winkler(ボッシュ レックスロスのオートメーションおよび電気化ソリューションビジネスユニット営業本部長)に聞きました。

新しいオートメーションプラットフォームを導入するに至った動機を教えてください。また、機械エンジニアリングの面で、課題はありますか。

マシンの開発、製作は今や、ソフトウェア開発と同義語になりました。この結果、対応する労力がドラスティックに増えたため、ソフトウェア開発が人材難に陥っています。求められるのは、オートメーションの世界をシンプル化して、顧客の問題を解決できるまったく新たなソリューションでした。ctrlX AUTOMATIONによって、従来のソリューションにあった限界を越えるオートメーションプラットフォームを創出できました。

ctrlX AUTOMATIONを一言でどう説明しますか?

ctrlX AUTOMATIONは、オートメーションの世界のスマートフォンのような存在です。マシン制御、IT、IoT間に従来存在した境界を突破しました。Linuxのリアルタイムオペレーティングシステム、一貫性のあるオープンスタンダード、アプリのプログラミング技術、ウェブベースのエンジニアリング、包括的なIoT接続により、コンポーネントとエンジニアリングに要する労力を30~50%削減します。

ソフトウェアについてはわかりました。ハードウェアについてはいかがですか。

ctrlX AUTOMATIONは、ほぼすべてのオートメーションタスクに十分なコンピューティングパワーを搭載した新世代のマルチコアプロセッサーがベースです。ソフトウェアはハードウェアから独立して動作します。ctrlX AUTOMATIONを使用すると、設置場所と各種コンポーネント数が最大で50%削減されます。この結果、ロジスティクス、設置、コントロールキャビネット、スペアパーツ、現場のサービス業務に割いていた労力とコストが低減されます。さらには、必要としていたソフトウェアとツールの範囲が大きく縮小されました。

コネクティビティについてはいかがですか。

ワイドなコネクティビティを持つctrlX AUTOMATIONは、インダストリー4.0の要件に対応できるように設計されています。ctrlX AUTOMATIONは、イーサキャットオートメーションバスのほかにも、一般的なプロトコルやインターフェースであればほぼすべてをサポートしています。30を超える直接接続オプションと通信規格により、ネットワーキングに最大限の柔軟性が提供されます。 ctrlX AUTOMATIONは、TSNや5Gなどの将来の通信規格に対応する準備が整っています。これで、このプラットフォームは市場でもっとも接続性能の高いシステムとなりました。

ctrlX AUTOMATIONは、先ほど言及されたようなエンジニアリング上の課題をどうやって解決しましたか。

ctrlX AUTOMATIONは、スマートフォンで使えるようなアプリのテクノロジーの自由度を機械メーカーにもたらしました。こうしたアプリは、さまざまなプログラミング言語で作成されています。オートメーションコンポーネントの構成や試運転はすべてウェブベースです。ソフトウェアを新たにインストールすることはありません。このシステム環境はバーチャル環境でも利用可能です。ハードウェアがありませんから、外部からでもプログラミングできます。開発環境は、登録者が世界で1000万人を超える開発者コミュニティ、GitHubをサポートしています。これにより、機械メーカーは、事実上無制限のプログラミング能力とすでに作成された機能にアクセスできるだけでなく、セキュリティ保護エリア内でのより良い内部コラボレーションを実現できます。

機械メーカーが求める能力の差別化にはなりませんね。

そのとおりですが、主眼は速く簡単に解決することにありました。ctrlX AUTOMATIONの大きなメリットは、プログラミング言語を自由に選べるところにあります。プロフェッショナルにとっては、プログラミング言語やオートメーションプロバイダーの(専用)システムによって決めることがなくなります。ソフトウェア開発者に従来のオートメーション言語の知識がなくても問題ありません。また、ユーザーはオペレーティングシステムをリアルタイムで構成できます。自分のソフトウェアやアプリからの拡張機能もインストールできます。

顧客からフィードバックはありましたか。

ctrlX AUTOMATIONの開発初期段階から、さまざまな業種のユーザーに意見を求めてきました。お客様は、私たちの新しいプラットフォームでソリューション開発を進めています。フィードバックは、真に市場性の高いソリューションの開発や、ctrlX AUTOMATIONで確実に2歩先を行くには非常に重要です。

Steffen Winkler

執筆者: Steffen Winkler
役職: Bosch Rexrothのオートメーションおよび電気化ソリューションビジネスユニット営業担当副社長