最新の溶接制御システムはサステナブルで効率性が高く、インダストリー4.0に対応するよう設計されています。また、耐久性に優れているのも特徴の一つです。ボッシュ レックスロスの抵抗スポット溶接制御装置は単なるハードウェアにとどまらず、必要に応じて構成可能なソフトウェアソリューションで未来を想定して展開しています。同時に、サービスは製品のライフサイクル全体をサポートします。その結果、溶接工程が最適化され品質の向上、サイクル時間の短縮、および経済的な利点がもたらされます。
自動車製造業界などの産業分野は、目まぐるしいスピードで変化しています。さらに高く、速く、軽くなってきています。また、軽量構造などの進化により、抵抗スポット溶接の複雑さも増しています。つまりプロセスの安定性や生産性などの面で、常に新しい課題に直面しているのです。
そのため、最新の抵抗スポット溶接の制御システムには、柔軟性、適応性、高い性能、そして未来への対応力が求められます。ボッシュ レックスロスでは、試運転からセカンドライフに至るまで、製品寿命とその先までのサービスを導入しており、たとえば使用済みの制御機器に新しい命を吹き込むことができます。
ボッシュ レックスロスは、PSI6000およびPRC7000溶接制御装置向けに設計された溶接サービスを備え、業界の新境地を開拓しています。これまで、一般的に溶接テクノロジーに関しては販売されているサービスはほとんどありませんでした。しかし現在だけでなく未来にも適合する溶接制御を実現するには、保守サービスの導入が唯一の方法なのです。
抵抗スポット溶接テクノロジーは、物理的・化学的性質が異なる材料、表面、形状、厚みが異なる材料の接合に使用できます。さらに溶接性チェックにより、プロセスの最適なパラメータ設定を決定することができます。このサービスパッケージには、ラボでの材料試験、VDA(ドイツ自動車工業会)に準拠した溶接試験とパラメータ決定による溶接品質保証、金属組織検査、破壊試験などが含まれています。
ボッシュ レックスロスは、抵抗溶接テクノロジーの分野でも高い安全性と効率性を実現するため、試運転サービスを実施します。さまざまな組み合わせやバリエーションによって、ますます要求の厳しい溶接作業には経験とノウハウが必要です。ただしこれらのスキルは、ユーザー側の制御および溶接プロセスでは同様に進化することはありません。こうした要因は試運転に直接影響します。ボッシュ レックスロスのアソシエイツがさまざまな溶接作業で培った豊富な経験とそれに基づくサービスにより、制御システム、スイッチキャビネット、生産工場全体の試運転を迅速かつ効果的に行うことができます。
溶接のコンスタントなプロセス変更、摩耗、コンポーネントや材料の最適化、工場コンポーネントの近代化により、溶接パラメータは継続的に変化します。材料に適した溶接パラメータは生産性と品質の基盤となるもので、特に新しい生産ラインの立ち上げ時には重要になります。このためボッシュ レックスロスでは、定電流制御で溶接する際のパラメータ解析を含むサービスパッケージを用意しています。
また品質、スパッタフリー溶接、エネルギー効率、限界値などの観点から溶接パラメータを最適化するサービスも利用できます。さらに解析ソフトウェアも用意しています。ターゲットを絞った評価を行うことで、たとえば、サイクル時間の短縮ができます。
また溶接プロセスの最適化に加え、ライフサイクル全体を対象としたサービスにより、溶接制御システムの耐用年数の延長や省資源化も目指しています。そのためにはクリーニング、現在のハードウェアステータスの変更、元のデータやパラメータの再調整、仕様に沿った機能テストや耐久テストなどを含め、修理が一つのカギとなります。不具合のある部品は、納品から12か月を保証期間として交換します。
修理だけでなくサステナビリティと長寿命の観点からも、製品の再製造を推奨しています。これには電力用半導体素子、ファン、電解コンデンサなど、すべての電気・電子機械消耗部品の予防交換が含まれます。納品後、再製造品の保証期間は24か月です。
通常の対応期間を過ぎても、設置済みの製品やソリューションの保守サービスを提供するため、ロングライフサービス(LLS)を実施しています。LLSではスペアパーツの提供だけでなく、材料の入手状況に応じて再製造や修理も行います。また24か月から最大60か月まで保証期間の延長が可能なため、ユーザーの皆様にも安心してご利用いただけます。
どんなサービスであっても、オリジナル(純正)に勝るものはありません。ボッシュ レックスロスは製造元によるサービスを提供し、純正スペアパーツのみを提供します。世界80か所以上にサービスセンターを展開し、24時間365日体制でサポートとサービスを提供しています。
このサービスにより溶接制御装置の長期稼働と安定したプロセスを実現し、ダウンタイムを最小限に抑えます。また未来を視野に入れたサステナビリティにも貢献し、コストと資源の両方を節減します。
執筆者: Gunther Armgart
役職: Bosch Rexroth AG、フィールドサービス抵抗溶接マネージャー
執筆者: Dennis Bartmann
役職: Bosch Rexroth AG、サービス修理溶接システムマネージャー