抵抗溶接
溶接 - インダストリー4.0へのゲートウェイ
未来の溶接工程では、すべてが繋がっていくでしょう。ここで重要な要素となるのが、溶接制御システムです。他のデバイスやシステムに接続して通信できるようにするために、これまではハードウェアゲートウェイの形をしたミドルウェアがよく使われてきました。ボッシュ レックスロスにより、この中間デバイスは必要なくなりました。インテリジェンスはPRC7000溶接制御システムに直接統合されています。その結果、MQTTとOPC UAのプロトコルを完全に統合した、このタイプでは市場初となるインダストリー4.0対応「オールインワン」ソリューションが、抵抗スポット溶接に利用できるようになりました。これによりコストが削減され、接続要件に容易に対応できます。その上で、たとえばAIアプリケーションも可能です。
溶接工程では膨大な量のデータが生成されます。これらのデータは、インダストリー4.0におけるプロセスの最適化、機械学習、価値創造の基礎を形成することができます。しかし、データはまず収集され、分析され、さらに処理される必要があります。これは意思決定するために必要な詳細情報を生成する唯一の方法であり、これにより自動的に定義されたアクションを開始できます。
次に、OPC UAプロトコルを介して、データをクラウドに送信して分析し、フィードバックを制御システムに出力することができます。これを元にして、たとえば機械学習や人工知能 (AI) を使ったアプリケーションが可能となります。データを収集して分析することで、機械学習の目的に合った正しい結論を導き出すことができます。改善ができ、品質管理コストを大幅に削減できます。
インダストリー4.0用語を話す
デジタル工場では、オープン通信規格であるOPC UAが、ますます重要になってきています。IoTの最も重要な通信プロトコルの1つで、現在では業界標準になりつつあります。OPC UAは、マシンデータを転送できるだけでなく、マシンが読み取り可能な形式で意味のある記述をすることもできます。これにより、AIや機械学習のアプリケーションをサポートします。
ボッシュ レックスロスは、溶接制御システムPRC7000で、このタイプでは市場初となるOPC UAを完全に統合したソリューションを提供します。ますます多くの自動車メーカーが、MQTTオープンネットワークプロトコルの使用とともに、このソリューションを必要としています。
OPC UAサーバーに加え、MQTTパブリッシャーもPRC7000に完全に統合されています。どちらもライセンスソフトウェアとして入手できます。MQTTは、低帯域幅でレイテンシーの高い環境向けに設計されています。膨大な量のデータをパッケージで送信しなければならない場合に最適です。たとえば制御システムを使用すると、1日に最大3万個の溶接スポットを記録し、データを送信することができます。制御システムは、データをJSON形式で送信します。これは、テキストベースの自己記述形式で、人が解釈可能です。
もう1つのJSONベースのプロトコルはPPMPです。これはつながる業界でデータを交換するためにボッシュが開発した、新しいオープンな業界標準です。PPMPを使用すると、ボッシュのNexeed Production Performance Manager (PPM) などの製造実行システム (MES) を接続できます。これまでの溶接制御システムは、十分な高性能を備えていなかったため、OPC UAやMQTTなどのプロトコルを実装するように設計されていませんでした。ミドルウェアまたはゲートウェイソフトウェアは、独自のハードウェアを必要とする場合も、必要としない場合もありますが、デバイスとエッジまたはクラウドレイヤーの間に提供される必要がありました。データはミドルウェアで収集、集約、送信されました。
PRC7000では、OPC UAとMQTTが制御システムに直接統合されるため、中間ハードウェアは必要ありません。これからの自動化された工場では、データの完全性が非常に重要です。そのため証明書ベースでデータを暗号化することが可能でなければなりません。
インダストリー4.0の前提条件であるIoTコネクティビティ
MQTTとOPC UAインターフェースを備えた、新しい溶接制御システムPRC7000は、インダストリー4.0に必要なIoTコネクティビティを提供します。ただし、コネクティビティやインテリジェントなアプリケーションに関して、他の機能も備えています。PRC7000は高性能なハードウェアとして、AIのユースケースの再現に必要な性能を提供します。
PRC7000のインダストリー4.0機能は、多くのユースケースや新しいビジネスモデルをサポートします。小規模な機械製造企業は、OPC UAアクセスを使い、独自のユーザーインターフェースを簡単に開発して提供できます。あるいは、システムのダウンタイムの傾向やエラーの原因を特定し、プロセスを最適化しコストを削減するための基盤として予測アプリケーションを導入することも可能です。