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油圧バルブ:デジタル軸コントローラを搭載した方向制御弁
油圧バルブ:デジタル軸コントローラを搭載した方向制御弁
産業用油圧機器

油圧バルブはつながることでもっと便利に

最近の油圧バルブに対する市場のニーズとは?

現在、私たちは従来のアナログな油圧技術からコネクテッド型のデジタル流体テクノロジーへの移行期を体験しています。特にヨーロッパの機械メーカーでは、機械設計のデジタル化が進んでいるため、油圧機器がこれらのコネクテッド環境にシームレスに組み込まれることが期待されています。つまり、自動化のレベルに関して言えば、油圧機器は電気機械式ドライブと同等であることを意味します。その際、決定的な差別化要因となる特徴は、複数のイーサネットインターフェースなどのオープン規格を介して、インテリジェントな油圧バルブをさまざまなオートメーショントポロジーにシームレスに統合できることです。

これらのニーズを満たすには、どのような新しい技術的展開が考えられるでしょうか?

スマートな単軸コントローラは、すでに油圧の動きを閉ループ遠隔制御しています。さらに、強力なモーションコントロールがバルブのオンボードエレクトロニクスに組み込まれています。ターゲットと実際の比較をその場で行い、数マイクロメートルの精度で調整します。システムの制御クオリティは、測定システムの分解能によってのみ決定されます。このような制御盤のないモーションコントロールは、切断加工ライン、製紙工場、工作機械などで使用されるケースが増えています。さらに、スマートな可変速ポンプドライブやスマートポンプ制御もあります。これまで主流だったスロットル制御から、エネルギー効率の高い吐出量制御に切り替えることで、全く新しい可能性が生まれます。つまり、これまでバルブで行われていた機能がソフトウェアで行われるようになります。

油圧バルブへのセンサー技術の組み込みについて

自動車や消耗品向けセンサーの大量生産により、コストが大幅に削減されました。油圧機器にセンサーが搭載されるケースも増えています。こうしたセンサー技術を既存のバルブ筐体に組み込むことが次のステップだと私たちは考えています。状態監視では、センサーが作動油の質、温度、振動、実行された切り替えサイクルなどの情報を収集します。ディープラーニング(深層学習)アルゴリズムにより、ユーザーは不具合が生じる前に摩耗を検知することができます。

バルブは他にどのような機械化の可能性をもたらしますか?

接続形状の自由度は、規格により制限されます。油圧機器業界では、少し前にデジタル油圧を議題として取り上げました。これは、シングルビットまたはマルチビット戦略を用いて、「ステップ」または「クロック」方式でフローを制御するというものです。特定のアプリケーションでは、無段変速技術と比較すると、これがメリットになるケースもあります。

他に油圧バルブのイノベーションで、貴社に関連性のあるものは何ですか?

もはや、つながることで油圧バルブ技術に恩恵があることは言うまでもありません。重要なのはそのタイミングです。現在、インダストリー4.0に関する議論の中で、必要な機能や性能を定義することが非常に重要であると言われています。メカニズムやセンサー技術が多くのメーカーで標準化されて初めて、実際の接続や通信が可能になります。この先も、すべての油圧機械式圧力弁がデジタル電子機器を搭載したり、制御システムや他のバルブに接続されるわけではありません。メーカーの設定情報や機能説明、交換用シールの情報などを記載したQRコードの普及は、コネクティビティへの第一歩です。新素材や生産技術の分野で、レックスロスはさまざまな革新技術を開発しています。鋳物筐体の中子を3Dプリントしたり、直接プリントしたりすることで、バルブの動作時のエネルギー消費を大幅に削減することができます。中子を設計する場合、中子金型の分割性を考慮する必要がありましたが、中子のプリントによりその必要がなくなりました。つまり、圧力損失を低減し、エネルギー消費を改善する他のチャネル設計を使用できるのです。10,000 l/minの流量のバルブの場合、流動抵抗を10から20%低減することにより、運用コストを大幅に削減できます。

油圧機器用圧力トランスデューサー

これらのトレンドは貴社の製品にどのような影響をもたらしますか?

IAC(統合軸コントローラ)バルブを導入することで、ボッシュ レックスロスは、制御盤の必要のない、バルブエレクトロニクスに完全統合されたモーションコントロールを提供します。オープンインターフェースを介して接続することが可能です。独自の油圧回路を持つ油圧サーボ軸も同様です。軸、ポンプ、バルブ、シリンダーの一体型のアセンブリで、すぐに取り付け可能なので、機械メーカーは電源と通信の接続をするだけで使用できます。コミッショニング(試運転)ツールとユーザーインターフェースが同じため、すべてのドライブテクノロジーが同じ外観と操作感を提供します。また、従来のサーボバルブに改良を加えることも可能です。レックスロスのオン/オフ切換弁向けPWM (パルス幅変調)を備えた新しいプラグインアンプは、コネクタの表面温度(80℃以上)を50℃に下げます。これは、引火しやすいおがくずが発生し、爆発の危険性のある切断(ソー)加工ラインでは、特に有用です。

今後の展望:今後10年でバルブ技術はどのように変化していくと思いますか?

10年後には、バルブによってプロジェクト計画が容易になり、快適な試運転と効率的な運用が可能になり、またメンテナンスの前にさまざまな情報が提供されるでしょう。メンテナンスが必要な場合、バルブがすでにスペアパーツを注文しているようになるかもしれません。

IACバルブ