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ボッシュ レックスロスのIoTコネクタを使用し、溶接制御システムPRC7000とPSI6000を拡張しインダストリー4.0に対応することが可能です。
ボッシュ レックスロスのIoTコネクタを使用し、溶接制御システムPRC7000とPSI6000を拡張しインダストリー4.0に対応することが可能です。
抵抗溶接

インダストリー4.0を語る

溶接制御システムにインダストリー4.0機能が必要な理由は、溶接におけるプロセスの最適化、機械学習、価値創造の基盤となる膨大なデータが重要だからです。それらのデータを手にするには、まずはデータを収集し、分析し、加工する必要があります。データにアクセスする際の一般的な規格として、MQTTとOPC UAが挙げられます。ボッシュ レックスロスは、これらの2種類の通信方法を「IoTコネクタ」パッケージとしてバンドル化しています。ユーザーはたとえば品質保証用の自動ログを実装するなどで、収集したデータをニーズに応じて処理することが可能です。

溶接制御システム PRC7000は、MQTTとOPC UAの2種類の通信方式を組み合わせた「IoTコネクタ」パッケージにより、インダストリー4.0に容易に対応することができます。

制御システムには、プロセス機器と通信ゲートウェイを含んでいます。さらにIoTコネクタを使用することで、統計的な評価や長期間のログ記録など、さまざまな処理にデータを利用できるようになります。これらのデータを使い、品質管理や予防保全のコスト削減に役立てられます。自動車産業のボディ製造、一次サプライヤー、マシンエンジニアなどの抵抗溶接において、インダストリー4.0はますます重要な優先事項となっています。

データを処理し、付加価値に変換

各分野をリードする存在の通信規格であるオープンネットワークプロトコルのMQTT、オートメーションの通信規格のOPC UA

MQTTは、低帯域幅、高レイテンシーの環境向けに設計されています。膨大な量のデータのパケット送信に適しています。たとえば、制御システムは1日あたり最大3万個の溶接スポットの保存・送信が可能です。PRC7000制御システムは、テキストベースの自己記述フォーマット JSON形式でデータを送信します。

OPC UAは、マシンデータを転送するだけでなくマシンが読み取り可能な形式で記述する機能を備えています。データをクラウドに送信して分析し、結果を制御システムにフィードバックできます。機械学習や人工知能(AI)にアプローチするアプリケーションの基礎を形成します。

いずれの規格もIoTコネクタで使用可能です。PRC7000溶接制御システムには、MQTTパブリッシャーだけでなく、OPC UAサーバーも標準で搭載されています。データの範囲はライセンスによって拡張でき、対応可能なアプリケーションの幅はさらに広がります。

これまでの溶接制御システムは、MQTTやOPC UAなどのプロトコルの実装を想定した設計ではありませんでした。たとえば独自のハードウェアを必要とするミドルウェアまたはゲートウェイ ソフトウェアを、デバイスとエッジ層またはクラウド層の間に接続する必要がありました。その場合はデータはミドルウェアで取得し、集計し、送信していました。

品質保証と予防保全

IoTコネクタは、プロセス機器内からクラウドやエッジへの統合をサポートします。オープンシステムのため、独自の構造に制限されることなく、最先端の通信を実現します。ユーザーは必要に応じてデータを処理できます。PRC7000制御システムの場合、iO/niO評価などの定義されたデータ範囲が標準装備されています。

パッケージの拡大によりさらに幅広いデータフローが可能になり、ユースケースの種類が増えます。たとえばIoTコネクタを使用すれば、溶接スポットごとに200以上の実測値を計測することができます。品質値、溶接曲線からのデータ、設定ポイント、設定、基準曲線などのさまざまなパラメータおよびデータ変更が含まれます。他のデータソースの評価と組み合わせることで、予防保全の概念を実装できます。さらにユーザーが最適化の可能性を特定し活用できるため、透明性を確保することができます。品質保証を目的として自動ログを実装し、記録されたパラメータの変化によりスポット溶接品質の分析が可能になり、パラメータ情報を介して工場の状態を視覚化することができます。

インダストリー4.0に対応

現代の産業界では、ダイナミックに変化する要件に対応する、柔軟で汎用性の高い生産体制が求められています。そのため、ネットワーク化をサポートし一貫性を確保する適応力のあるソリューションが必要となります。ボッシュ レックスロスは、IoTコネクタを介して現代の生産工場のニーズに応えます。IoTコネクタを使用することで、PRC7000とPSI6000の溶接制御はデータトレジャーをマイニングするための拡張が可能になり、インダストリー4.0に対応することができます。

著者: Domenico Livani

役職: 抵抗スポット溶接 プロダクトマネージャー(ボッシュ レックスロスAG)